フロッピーディスクのカビ。拭き取り道具とその方法。
昭和のパソコンを動態保存している中で、避けて通れないのがフロッピーディスクに発生するカビ問題です。実際にはホコリや汚れなどもあるかと思います。
カビ菌は、家中どこにも常に存在していると言われています。適切に保管している方もいらっしゃるかもしれませんが、私のようにカビが生えやすい場所として悪名高い「押し入れ」や「クローゼット」に、長期保管という名の放置をしている方は、特に注意が必要です。この前は普通に起動できたから大丈夫。と思っていても、よく考えたら2~3年前のことだった、などと言うこともざらです。
大切なフロッピーディスクや、動態保存している機器を傷めないためにも、FDDへの挿入前に、記録面の確認や拭き取りを行うことをお勧めします。
「カビ」、「フロッピー」などのキーワードで検索すると多くの情報を確認することができます。
▢フロッピーディスクにカビが生えると
・汚れたフロッピーディスクを起動すると
▢フロッピーディスクの点検
▢拭き取り道具
▢拭き取り方法
▢あると便利な治具
・5.25インチFD用の治具
・3.5インチFD用の治具
フロッピーディスクにカビが生えると
フロッピーディスクにカビが生えると、正常に記録データを読み出すことが困難になります。
具体的には当該フロッピーディスクに記録されたソフトが正常に起動しない、当該フロッピーディスクのディスクファイルが正常に作成できない等の問題が発生します。
汚れたフロッピーディスクを起動すると
フロッピーディスクは、FDD内でヘッドに上下から押さえつけられながら、1分間に300回転、1秒だと5回転します。カビなどにより記録面を破壊するには十分な威力です。動作中のFDDの中から、「シャッ、シャッ、シャッ…。」とか、「キーーーーーッ。」という小さいながらも甲高い音が聞こえてきてしまったら、すぐに機器の電源を落とてください。カビやホコリで記録面を傷めてしまっているのかもしれません。
また、ヘッドが傷んだり汚れてしまったFDDは、今度は正常なフロッピーディスクを次々に傷めてしまうという連鎖を起こすことも考えられます。このような時には速やかにFDDのヘッドのクリーニングを行い様子を見ましょう。
フロッピーディスクの点検
5.25インチのフロッピーディスクはスリーブから取り出すと、ヘッドウインドウが確認できます。3.5インチのフロッピーディスクの場合は、シャッターを開けるとヘッドウインドウが現れ、記録面が確認できます。
記録面を確認して、ふわふわとした白い綿毛のようなものや、風呂の鏡に見られる水垢様の模様が確認できた場合は、必ず拭き取るようにしましょう。
なお、最も一般的で、家中に発生するのは黒カビなので、一見してわからなくても想像以上にカビに侵されたフロッピーディスクが存在している可能性もあります。目視で異常が確認できない場合であっても、年単位で保管していたフロッピーディスクは、起動前に拭き取り作業を行っておいた方が良いでしょう。
拭き取り道具
色々な拭き取り道具がありますが、私は、入手が容易なマイクロファイバークロスとイソプロピルアルコールを使用しています。
マイクロファイバークロスの代わりにシャモアチップ(セーム皮チップ)を使用する方もいます。
拭き取り方法
マイクロファイバークロスにイソプロピルアルコールを含ませて拭くだけです。
しっかりと拭き上げるために、2周ぐらいは行っておくと良いでしょう。拭き取りの進捗確認には、5.25インチの場合はインデックスホールが、3.5インチの場合は中央のハブが目印になります。
最初は力加減がわからず不安でしたが、思った以上に強く拭き取っても大丈夫みたいです。傷んでしまっても構わないフロッピーディスクから試してみるのが良いかもしれません。
参考にさせて頂いた動画です。結構な力で拭き取っているように見えます。
【Cleaning Floppy Disks(4分6秒)】
あると便利な治具
拭き取りは意外と面倒な作業です。数枚程度であればまだ良いのですが、枚数が多い場合はとても大変です。そのような場合は、専用の治具を用意することも検討した方が良いかもしれません。
参考に私が使用している治具を示します。
5.25インチフロッピーディスク用の治具
蛇口ホースコネクタの一部を切り落としたものに、水洗器具用のOリング(35mm程度)を接着して作成しました。
蛇口ホースコネクタを使用しましたが、挟み込んで固定できれば良いので、飲料や調味料容器の蓋付近を切り取って加工しても大丈夫かもしれません。なお、蛇口ホースコネクタはホームセンターの園芸品売場で、Oリングは同じく水回り品売場で入手できます。
3.5インチフロッピーディスク用の治具
拭き取り方法の参考動画で使用されていた治具になります。
私はWEBで公開されている3Dデータファイルを入手した上で、3Dプリントサービスを利用して出力しました。
次のページから、3D印刷可能なファイルがダウンロードできます。
【imqqmi氏のホームページ Maker Central】
ページが開いたら、"Floppy cleaning kit download"をクリックしてファイルをダウンロードします。
3D印刷の環境が整っている方は、プリンターで出力すればOKです。
環境が整っていない方は、3Dプリントサービスを利用します。WEBで「3Dプリント」、「サービス」などで検索するとサービスを提供している複数の事業者が確認できます。
私は『DMM.make 3Dプリント』を利用しました。
手続きはやや面倒です。
大まかに次のような手順で注文等を行うことになります。
①データのアップロード
②モデルチェック・見積り
③バスケットへ挿入
④支払い手続き
⑤作成・発送
素材の事は何が良いのか分からなかったので、とりあえず"ABS"としました。
2点の出力で、3,744円でした。
5.25インチFD用、3.5インチFD用共に用意されているので、3Dプリントの手続きが少々面倒だな。と感じた方は、こちらを購入するのも良いかと思います。価格は次の通りです。
治具については、自作できる方は、自作するのもありかと思います。
今回の記事が、少しでもフロッピーディスクの管理に悩んでいる方のお役に立てれば幸いです。
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