FM77AVシリーズの使い方
このページは富士通から発売された8ビットパソコン「FM77AVシリーズ」の使用に関する一般的な事項の整理をすることを目的としています。
ディスプレイの接続
最終更新:R3.5.5
更新履歴
R03/05/05 機器ごとの出力画像及び、FM77AV40EXの表示切替のページへのリンクを追加
R02/12/19 記載錯誤を含め、一部文章を修正
R02/10/14 ページ公開
ここでは、FM77AVシリーズ(FM77AV,FM77AV20,FM77AV40,FM77AV20EX,FM77AV40EX,FM77AV40SX)へのディスプレイの接続について説明をします。
▢どの表示機器を選ぶべきか
▢家庭用テレビに接続する
・ビデオ入力端子への接続
・HDMI端子への接続
▢ディスプレイ(適合品)に接続する
・ディスプレイ(適合品)について
・VGA端子への接続
▢CRTに接続する
・デジタルディスプレイ(角型8ピン端子)への接続
・アナログディスプレイ(RGB21ピン端子)への接続
・アナログディスプレイ(RGB15ピン入力の製品)について
・アナログディスプレイ(D-sub15ピン端子)への接続
接続先のディスプレイとしては、「家庭用テレビ」や「映像信号が適合するディスプレイ」、「当時のCRT」などが挙げられます。後段で接続方法例を示します。
どの表示機器を選ぶべきか
最も簡便なのは家庭用テレビ等との組み合わせです。
AV40SX はビデオ出力を備えているのでそのまま接続できます。その他の機種であっても市販の信号変換機を介することで接続できます。R2.10現在でも市販の変換機が入手できるので、環境構築が容易で最も経済的です。ビデオ端子への接続では精細さに難がありますが、HDMI端子への接続であれば問題となることはないと思います。
ディスプレイ(適合品)についてもR2.10現在、市販の製品が入手可能です。ディスプレイを調達しなければならない分、家庭用テレビ等との組み合わせと比較して経済性で劣りますが、表示の精細さはCRTと同等である上、表示遅延についても問題となることはないと思います。
CRTはお勧めしません。そもそも入手が困難ですし、製造年からしても既に製品寿命を迎えています。運よく調達できたとしても、いつ壊れてもおかしくない状況です。FM77AVシリーズ専用CRTにこだわるような人以外は避けたほうが無難です。
機器ごとの、表示結果は次の通りです。
HDMI端子の2つと、VGA端子の接続方法の一部画像について、機器設定の不徹底によりアスペクト比が異なるものが混ざってしまいました。画像については、あくまで参考程度と捉えて下さい。
なお、XRGBminiについては、製品仕様で入力信号について水平同期周波数15kHz(NTSC相当)と表記されていますが、なぜか24kHz(F-BASICv3.4系)が出力できています。理由は良く分かりません。
家庭用テレビに接続する
ここでは「ビデオ入力端子」と「HDMI端子」への接続方法例を示します。
家庭用テレビとしていますが、一般的なPC用ディスプレイもHDMI端子を備えていますので、それらの製品もここに含みます。
ビデオ入力端子への接続
AV40SXは、標準でビデオ出力端子を備えているので、コンポジットケーブルを用いてそのまま接続することができます。
AV/20/40/20EX/40EXの5機種については、変換機を用いて接続する必要があります。
AV20EX用の「NTSCアダプタ(FMAV-201)」やAV20EX/40EX用の「ビデオカード(FM77-414)」、その他の機種であっても「ビデオコンバータ(FMAV-102)」を介することでビデオ出力が可能となりますが、当然、入手は困難です。
ここでは比較的入手しやすい機器として、マイコンソフトから販売されていた「XAV-1S」や「XAV-2S」を用いた方法を示します。
なお、XAV-1S/2Sについては既に販売が終息しています。
[必要となる機器、ケーブル類]
[AV/20/40/20EX/40EX]
・アナログRGBケーブル(FM77-721)
本体付属品等を使用します。ない場合はSCARTケーブルを改造して代用できます。
・コンポジットケーブル
家電量販店等で入手できます。
・変換機
「XAV-1S(マイコンソフト)」など。中古品を入手するほかありません。
[AV40SX]
・コンポジットケーブル
家電量販店等で入手できます。
HDMI端子への接続
FM77AVシリーズの映像出力と現代の家庭用テレビでは端子の形状や信号が異なることから、変換機を介して接続する必要があります。ここでは比較的入手しやすい機器として「RGB21-HDMI変換アダプタ(3Aカンパニー)」や「XRGBmini(マイコンソフト)」を用いた方法を示します。
なお、「XRGBmini(マイコンソフト)」については既に販売が終息しています。
[必要となる機器、ケーブル類]
[AV/20/40/20EX/40EX]
・アナログRGBケーブル(FM77-721)
本体付属品等を使用します。ない場合はSCARTケーブルを改造して代用できます。
・HDMIケーブル
家電量販店等で入手できます。
・変換機
「RGB21-HDMI変換アダプタ(3Aカンパニー)」、「XRGBmini(マイコンソフト)」など。通販等で入手できます。
[AV40SX]
・アナログRGBケーブル(FM77-724)
本体付属品等を使用します。適当な代用品はありません。
・HDMIケーブル
家電量販店等で入手できます。
・変換機
「RGB21-HDMI変換アダプタ(3Aカンパニー)」、「XRGBmini(マイコンソフト)」など。通販等で入手できます。
ディスプレイ(適合品)に接続する
ここでは、ディスプレイ(適合品)の「VGA端子」への接続方法例を示します。
FM77AVシリーズの水平同期周波数は、標準的な200ライン表示が約15kHz、上位機(AV40/40EX/40SX)の400ライン表示が約24kHzとなっていますので、ディスプレイ(適合品)とは、これらの信号に適合している一部のディスプレイを指すこととなります。また、上位機で200/400ラインの双方の表示を行う場合は、基本的に15kHz/24kHzに対応したデュアル(マルチ)スキャンディスプレイが必要となります。
AV40SXに関しては、15kHz表示を24kHz信号として出力するスイッチが備えられているため、24kHz以上しか受け付けないディスプレイ(I-O DATA製等)であっても表示が可能です。また、積極的に公表されていませんが、AV40EXにも同様の切替ジャンパが本体内に用意されています。切替方法については、こちらを参考にしてください。
残念ながら、AV40にはそのような備えはありませんが、AV40であってもF-BASICv3.4など、24kHz出力(サブモニタROM(D))をするものに限り表示が可能です。F-BASICv3.4で保存していたファイルをF-BASICv3.0やF-BASICv3.3へ複製する時など、一時的に使用する場面で役立つかと思います。ただし、この場合はF-BASICが立ち上がった後(サブモニタROM(D)に切り替わった後)にディスプレイへ接続する必要があります。立ち上げ時は15kHz信号(サブモニタROM(A))が出力されるため、ディスプレイの入力エラーが発生してしまいます。
ディスプレイ(適合品)について
ディスプレイ(適合品)に関して、参考にウェブ上で表示報告がされた機器を示します。いずれも200/400ラインの双方の入力に対応しているようですが、調達時に各自の責任で改めて確認をお願いします。なお、価格はH31.2現在のものです。
VGA端子への接続
VGA端子では、表示制御に垂直同期信号 (V SYNC) と水平同期信号 (H SYNC)の入力を求めます。
AV40SXは、標準でこれらの同期信号を出力しているので、変換アダプタを用いてそのまま接続することができます。
AV/20/40/20EX/40EXの5機種については、複合同期信号(Composite Sync)しか出力されていないことから、変換機を用いて接続する必要があります。
AV40EXについては「アナログ15ピンRGBアダプタ(FMAV-211)」を介することでAV40SXと同様に接続が可能となりますが、当然、入手は困難です。その他の機種であっても、ビデオ信号同期分離IC「LM1881N」を用いることで複合同期信号から垂直同期信号と水平同期信号を分離できますがケーブルの自作を含め電子工作を伴いますので、ここでは比較的入手しやすい機器として「CSYNCセパレーター(クラシックPC研究会)」を用いた方法を示します。
なお、同様の製品として「XSYNC-1(マイコンソフト)」、「RGB21ピン→D-sub15ピン変換ユニット(穴場開発事業団)」、「RGB用各種接続アダプター(東京RGBホスピス)」などもありましたが、既に販売は終息しています。
[必要となる機器、ケーブル類]
[AV/20/40/20EX/40EX]
・アナログRGBケーブル(FM77-721)
本体付属品等を使用します。ない場合はSCARTケーブルを改造して代用できます。
・VGAケーブル
家電量販店等で入手できます。
・音声ケーブル(ステレオミニプラグ)
家電量販店等で入手できます。
・変換機
「CSYNCセパレーター(クラシックPC研究会)」など。ネット等で入手できます。
[AV40SX]
・アナログRGBケーブル(FM77-725)
本体付属品等を使用します。適当な代用品はありません。
・変換アダプタ
「AD-D15NE(サンワサプライ)」など。ネット等で入手できます。
・音声ケーブル(RCA – ステレオミニプラグ)
家電量販店等で入手できます。
CRTに接続する
ここでは「デジタルディスプレイ(角型8ピン)」、「アナログディスプレイ(RGB21ピン)」、「アナログディスプレイ(D-sub15ピン)」への接続方法例を示します。
デジタルディスプレイ(角型8ピン端子)への接続
CRTは、富士通の「カラーCRTディスプレイ(MB27307、MB27303、MB27305、MB27343、MB27331、MB27311、MB27333、FMDPC431、FMDPC432)」等が使用できます。同時期に販売されていた他社製品でも同様の入力端子を備えていれば使用できるかと思います。FM77AVシリーズの水平同期周波数は15.75kHzなので、画像が流れる場合は同期を調整する必要があります。(NECのPCは15.9kHzのようです。)
なお、この構成では、総天然ショックは味わえません。
本体背面のRGB(8)端子を利用します。
接続にはカラーCRTケーブル(MB26512A)を使用します。FM-77/L2/L4用のものは共通部品なので使用可能です。
[必要となる機器、ケーブル類]
[AV]
・カラーCRTケーブル(MB26512A)
専用品等を使用します。中古品等を入手するほかありません。
なお、FM-7用(PC-60/80用等も同等品)のものは、本体側のコネクタ形状が異なるため使用できません。参考図を示します。
アナログディスプレイ(RGB21ピン端子)への接続
CRTは、富士通の「カラーCRTテレビ等(FMTV-151、FMTV-152、FMTV-153、FMTV-154、FMTV-155、FMTV-211、FMDPC231D)」が使用できます。
他社製品でもRGB21ピンの入力端子を備え、15kHzに対応しているアナログディスプレイであれば使用できるかと思います。FM77AVシリーズの水平同期周波数は15.75kHzなので、画像が流れる場合は同期を調整する必要があります。(NECのPCは15.9kHzのようです。)
400ライン表示を求める場合は「FMTV-154」、「FMTV-155」、「FMDPC231D」が必要になります。他社製品で、RGB21ピンの入力端子を備えた24kHz対応品の情報はありません。
[必要となる機器、ケーブル類]
[AV/20/40/20EX/40EX]
・アナログRGBケーブル(FM77-721)
本体付属品等を使用します。ない場合はSCARTケーブルを改造して代用できます。
[AV40SX]
・アナログRGBケーブル(FM77-724)
本体付属品等を使用します。適当な代用品はありません。
アナログディスプレイ(RGB15ピン入力の製品)について
このCRTは、表示制御に垂直同期信号 (V SYNC) と水平同期信号 (H SYNC)の入力を求めます。富士通からはFM77AV40SX専用品として「カラーCRTディスプレイ(FMDPC232D)」が販売されていました。
他機種向けとしてPC-88/98シリーズ用、X68000シリーズ用、FM-TOWNSシリーズ用の製品でも同じ端子を採用していましたが、「カラーCRTディスプレイ(FMDPC232D)」と同等に使用できるのは、PC-88/98シリーズ及びX68000シリーズ向けの一部製品に限られます。残念ながらFM-TOWNSシリーズ用の製品はピンアサインが異なるため、そのままでは使用できません。ケーブルを自作すれば接続できますが、説明は省きます。
FM77AVシリーズの水平同期周波数は15.75kHz/ 24.5kHzなので、画像が流れる場合は同期を調整する必要があります。(NECのPCは15.9kHz/ 24.83KHzのようです。)
なお、上位機で200/400ラインの双方の表示を行う場合は、基本的に15kHz/24kHzに対応したデュアル(マルチ)スキャンディスプレイが必要となります。
AV40SXに関しては、15kHz表示を24kHz信号として出力するスイッチが備えられているため、24kHz以上しか受け付けないディスプレイ(I-O DATA製等)であっても表示が可能です。また、積極的に公表されていませんが、AV40EXにも同様の切替ジャンパが本体内に用意されています。切替方法については、こちらを参考にしてください。
残念ながら、AV40にはそのような備えはありませんが、AV40であってもF-BASICv3.4など、24kHz出力をするもの(サブモニタROM(D))に限り表示が可能です。F-BASICv3.4で保存していたファイルをF-BASICv3.0やF-BASICv3.3へ複製する時など、一時的に使用する場面で役立つかと思います。ただし、この場合はF-BASICが立ち上がった後(サブモニタROM(D)に切り替わった後)にディスプレイへ接続する必要があります。立ち上げ時は15kHz信号(サブモニタROM(A))が出力されるため、ディスプレイの入力エラーが発生してしまいます。
アナログディスプレイ(D-sub15ピン端子)への接続
AV40SXについては、専用ケーブル(FM77-725)を用いてそのまま接続することができます。
AV/20/40/20EX/40EXの5機種については、複合同期信号(Composite Sync)しか出力されていないことから、変換機を用いて接続する必要があります。
AV40EXについては「アナログ15ピンRGBアダプタ(FMAV-211)」を介することでAV40SXと同様に接続が可能となりますが、当然、入手は困難です。その他の機種であっても、ビデオ信号同期分離IC「LM1881N」を用いることで複合同期信号から垂直同期信号と水平同期信号を分離できますがケーブルの自作を含め電子工作を伴いますので、ここでは比較的入手しやすい機器として「CSYNCセパレーター(クラシックPC研究会)」を用いた方法を示します。なお、同様の製品として「XSYNC-1(マイコンソフト)」、「RGB21ピン→D-sub15ピン変換ユニット(穴場開発事業団)」、「RGB用各種接続アダプター(東京RGBホスピス)」などもありましたが、既に販売は終息しています。
音声については使用するCRTにより異なります。Dsub15ピン端子は音声信号を含んでいるので、スピーカー内蔵のCRTを使用した場合は、音声ケーブル等は不要です。
[必要となる機器、ケーブル類]
[AV/20/40/20EX/40EX]
・アナログRGBケーブル(FM77-721)
本体付属品等を使用します。ない場合はSCARTケーブルを改造して代用できます。
・アナログRGBケーブル(Dsub15ピン)
PC-88SRシリーズ用などが使用できます。中古品等を入手するほかありません。
・音声ケーブル(ステレオミニプラグ)
家電量販店等で入手できます。
・変換機
「CSYNCセパレーター(クラシックPC研究会)」など。ネット等で入手できます。
[AV40SX]
・アナログRGBケーブル(FM77-725)
本体付属品等を使用します。適当な代用品はありません。
・音声ケーブル(RCA – ステレオミニプラグ)
家電量販店等で入手できます。